遠近両用コンタクトレンズの評判について

ルーペで読書する女性

遠近両用コンタクトレンズの見え方の満足度には個人差がありますが、評判を聞いていると、「見えない、見えにくい」という声が少なくありません。一体、どうしてなのでしょう。今回は考えられる理由を書いてみました。


スポンサードリンク


「見えない、見えにくい」という評判が多い理由

遠近両用コンタクトレンズが見えない、見えにくいという評判が多い理由として考えられるのは以下の三つです。
  1. 高い期待を持ち過ぎている
  2. 老視が進み過ぎている
  3. 実際に見づらい
個人的印象では、この3つの中だと1番の「高い期待を持ち過ぎている」が多い気がします。

眼科で遠近両用コンタクトレンズを試してもうと、「あんまり変わらないですね」「そんな劇的には変わらないんですね」などといった意見をもらうことが多いです。みなさん、遠近両用コンタクトレンズの見え方にはけっこう期待されているようで、付けて実際の見え方を確認した後で、がっかりする方も少なくありません。

そもそも、遠近両用コンタクトレンズは老眼鏡に比べると矯正力が弱いので、普段から老眼鏡を使っている人は少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。

上に挙げた「見えない、見えにくい」という評判が多い理由を、もう少し掘り下げて買い手みようと思います。

1.高い期待を持ち過ぎている

遠近両用コンタクトレンズというと、アイ◯シティなどの販売店では、よく「遠くも近くも見える」などといった形でに紹介されています。しかし、その言葉を真に受けてしまうと、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

「遠くも近くも見える」という表現が間違っているとまでは言いませんが、「遠くも近くもある程度見える」くらいが実際のところです。遠近両用コンタクトレンズは、本来なら全面が均一の度数であるレンズに、無理に二つ以上の度数を入れたようなもの。その分遠くと近くの両方に焦点を合わせることができるようになりましたが、代わりに遠くと近くの見え方はそれぞれ弱くなっています。

遠くを見る時はしっかり度数を入れたコンタクトレンズを使い、近くを見る時はしっかり手元が見えるようにした老眼鏡をかける。これらの見え方をそれぞれ100%の見え方とするのなら、遠近両用コンタクトレンズの見え方は、遠くも近くも70〜80%といったところでしょう。

遠近両用は、近くも遠くもある程度見えるようにするレンズです。付ければ老眼がなかった頃の見え方が戻ってくるわけレンズではありません。過度な期待は持ちすぎないようにしましょう。

2.老視が進み過ぎている

上にも書いた通り、遠近両用コンタクトレンズは普通のコンタクトレンズや老眼鏡などに比べると矯正力が弱いです。そのため、老視(老眼)が進みすぎると、遠近両用コンタクトレンズで補える度数の範囲が狭まり、結果、満足のいく見え方が得られなくなってしまいます。

老眼が始まると、遠くと近くの見え方は綱引きのような関係になります。遠くを見やすくすると近くが見づらくなり、近くを見やすくすれば遠くが見づらくなる…つまり、相反する関係になるいうことです。

遠近両用コンタクトレンズは普通のコンタクトレンズと違い、近くを見る時にだけ働く加入度という度数が入っています。近視の度数(遠くを見やすくするための度数)は—の符号で加入度はされますが、加入度はその逆で、+の符号で表されます。つまり、加入度が入っている部分は、他の部分よりも度数が低いということになります。

各レンズによって設けられている加入度は異なります。少ないもので1つ(固定)で、多いもので3つほど用意されています。最大の加入度では補えないほどに老視が進んでしまうと、近くを見えるようにするためにはレンズ全体の度数を下げなければならず、遠くが見づらくなってしまいます。

基本的にはズよりハードの方が加入度数が多 く、広い範囲をカバーできます。また、交代視型か同時視型かによっても見え方の鮮明度は異なり(詳しくは「遠近両用コンタクトレンズの仕組み・構造」を参照)、その点でも、ハードの方がカバーできる範囲が広いと言われています。

ハードコンタクトレンズは合わせ方次第で大方の老視に対応できますが、ソフトコンタクトレンズでは50代後半になってくると遠近の見え方の両立が難しくなってきます。

3.実際に見づらい

遠近両用コンタクトレンズは普通のコンタクトレンズに比べ矯正力が弱く、特有のクセというか、遠くの見え方も普通のコンタクトレンズとは多少異なります。そのため、どんなに適切な度数に合わせても、見え方は普通のコンタクトレンズに劣ってしまいます。

この点は、気にならない方にはまったく気になりませんが、気になる方には気になると思います。自分が神経質だという自覚がある方には、結構気になるポイントかもしれません。レンズの種類によっても遠近両用特有のクセの出方は異なり、製品に対する評判も大きく変わってきます。

実際に試してみて合わなかった場合でも、駄目だったからといって一種類の製品でお試しをやめるのではなく、さまざまな製品を試してみるといいでしょう。遠近両用コンタクトレンズは、まったく同じデータで入れても、製品によってまったく見え方が異なるのです。

遠近両用コンタクトレンズの評判まとめ

遠近両用コンタクトレンズの良し悪しには、個人差が出やすいです。完璧主義者の方が試せばきっと悪い評価になるでしょうし、今より少しでも見やすくなればいいと思っている方が付ければ、きっと満足のいく結果が得られるでしょう。

遠近両用コンタクトレンズには使う前から大きな期待を寄せている方が多いですが、上にも書いた通り、過度な期待をしすぎると高い確率で失敗します。でも、「ばっちり見られないなら試さなくてもいいや」と試す前から諦めてしまうのはもったいないです。

なんども言いますが遠近両用コンタクトレンズの良し悪しは非常に個人差が大きいです。「あんまり変わらなかった」と肩を落とす方もいれば、中には「すごく見えるようになった」と感激する方もいます。本当に評価はさまざま。検査する人間の腕によっても見え方の満足度は大きく左右されます。

遠近両用コンタクトレンズが気になっているのであれば、買う買わないは別として、ひとまず眼科で試してみるといいでしょう。実際に試してみて、値段に見合った性能が感じられたら買えばいいのです。微妙だったら、他の方法で老眼対策を行なうこともできます。