「モノビジョン」について

このページでは、コンタクトレンズを用いた老眼矯正法「モノビジョン」についての説明や、メリットやデメリット、どういった人にオススメかなどをまとめています。

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モノビジョンとは？

「単一の視覚」という意味を持つ矯正法です。コンタクトレンズをつけた状態での視力をあえて左右で変えることで、遠近両用コンタクトレンズを使わずとも、遠くと近くの両方を見えるようにする矯正法です。

原則的に、効き目（優位眼）の方を遠くが見えるように、効き目でない方（非優位眼）を近くが見えるようにします。そうるすことにより、遠くを見る時は効き目を重点的に、近くを見る時は効き目でない方の目を重点的に使うようになるので、遠近両用コンタクトレンズを使わずとも遠くと近くの視力の両立が可能になります。

モノビジョンは眼鏡でも可能ですが、眼鏡の場合、左右の見え方の差が大きくなりやすいので、コンタクトレンズの方が適していると言われています。

効き目とは？

効き目とは、人がものを見る際に重点的に使う目のことです。人はもともと、両方の目を均等に使ってものを見ているわけではありません。必ずどちらかの目を重点的に使った状態で見ています。この、重点的に使われる方の目が効き目です。

ちなみに、利き手と効き目はまったく関係がなく、利き手が右手の人でも効き目は左だったり、その逆だったりします。手の場合は、たまに両方の手を自在に使える人がありますが、両方の目が効き目ということはありません。

この矯正法のメリット

モノビジョンのメリットは以下の通りです。
  • コンタクトレンズだけで生活できる
  • 乱視の矯正も可能
  • コストを抑えられる
  • 中間距離補正よりもカバーできる範囲が広い
  • 遠近や老眼鏡を使わずとも、遠くと近くが見える

乱視の矯正も可能

乱視用のコンタクトレンズを使えば、乱視の矯正も可能です。

コストを抑えられる／中間距離補正よりもカバーできる範囲が広い

コスト的に遠近両用コンタクトレンズが難しく、老眼鏡もかけたくないという方は、中間距離補正かこの矯正法を選ぶことになります。モノビジョンは左右で度数を作るので、うまく調節すれば、中間距離補正より遠くの視力も近くの視力も高く出すことができるようになります。

この矯正法のデメリット

この矯正法のデメリットは以下の通りです。

  • 両眼視をした際に見え方に違和感が生じる可能性がある
  • 眼精疲労の原因になる可能性がある
  • 合わない人には合わない

両眼視の際に違和感が生まれる可能性がある

左右に視力差をつけるので、両眼視をした際に見え方に違和感が生じる場合があります。左右の視力差が大きくなるほど、見え方に違和感が生じる可能性は高くなります。

眼精疲労の原因になる可能性がある

左右の見え方に差がある状態というのは、本来、あまり良い状態ではありません。視力に左右差をつけることで脳に害が生じたり、近視や老視の進行が早まったりすることはありませんが、慣れないうちは、疲れの原因になってしまうことがあるかもしれません。

合わない人には合わない

以上の二つの理由から、モノビジョンは使う人を選ぶ矯正法だと言えます。もちろん、それはすべての老眼矯正法に言えることですが、モノビジョンは特にその気が強いです。眼科等でモノビジョンを試してみて違和感が大きいようであれば、やめておいた方が無難でしょう。

向いている人・向いていない人


「モノビジョン」が向いている人は以下の通りです。
  • コンタクトレンズだけで過ごしたい人
  • モノビジョンの見え方に違和感を感じない人
  • コンタクトレンズを使いつつ、なるべくコストを抑えたい人
  • 中間距離補正では見え方に物足りなさを感じる人
  • 中間距離補正で補いきれなくなった人
向いていない人は以下の通りです。
  • 神経質な人
  • 眼性疲労を感じやすい人

まとめ＋私見

モノビジョンは、コンタクトレンズを用いた状態での有効な老眼の矯正法ですが、やはり意図的にアンバランスの状態を作り出しているので、他の矯正法に比べ負担がかかりやすいリスクがあります。もちろん、全然問題ないという方もいますが、他の矯正法を選べるのであれば素直にそちらを選んだ方が良いでしょう。

モノビジョンは医学的にも賛否両論ある矯正法です。私はどちらかというと肯定派ですが、やはり優先して処方はせず、患者さんのもろもろの事情が相まって他の矯正法を選べない時にのみ選択するようにしています。

老眼鏡製法にモノビジョンを選択する場合は、眼科で実際にモノビジョンでレンズを入れてみて、何も問題ないことが確認できてからにするようにしましょう。

よくある質問

Q モノビジョンにすることで近視や老視の進行が早まりませんか？
A 近視や老視の進行についてはまだ医学的にも解明されていない部分が多いので断言はできませんが、あまり関係ないと思われます。
Q 脳に負担がかかりませんか？
A モノビジョンのせいで脳に特別大きな負担がかかるということはないと思いますが、あまり左右の視力差が大きいくなると疲れの原因になるかもしれません。
Qモノビジョンで補いきれなくなりました……
A モノビジョンで補いきれない場合は、「遠近両用コンタクトレンズ」や「遠用コンタクトレンズ＋老眼鏡」、あとは「モディファイド・モノビジョン」などで対処するのが良いでしょう。「モディファイド・モノビジョン」は遠近両用コンタクトレンズを用いたモノビジョンで、単焦点コンタクトレンズのモノビジョンよりもカバーできる範囲が広いです。