老視(老眼)とは?

このページでは、老視(老眼)についてまとめています。
遠近両用コンタクトレンズの情報に触れる前に、まず、老視に関する知識をある程度備えておきましょう。

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老視(老眼)とは

老視とは、加齢と共に調節力(ピントを合わせる力)が減少し、近くのものを見ることが困難になった状態のことを言います。

よく、遠視(遠くが見やすく近くが見やすいこと)と混合されますが、老視と遠視はまったくの別物です。老視は調節異常、遠視は近視・乱視など同様に屈折異常に分類されます。

人によって個人差がありますが、一般的には、だいたい45歳前後になると老視の自覚症状が出てくると言われています。

調節力とは

調節力とは、上にも書いた通り、ピント合わせの力のことです。人は何か物体を見るとき、無意識のうちにこのこの力を働かせて、見たい物体にピントを合わせています。

目の中には水晶体と呼ばれるレンズがあり、人は常に毛様体筋と呼ばれる目の筋肉を使ってこのレンズの厚みを変化させています。遠くを見る時は水晶体を引き延ばして薄くし、近くを見る時は水晶体を膨張させて厚くし、ピントを合わせます。

これは、カメラのオートフォーカスをイメージするとわかりやすいかもしれません。調節とは人の目が無意識のうちに行なっているオートフォーカス、調節力とはそのオートフォーカスがどの程度まで働くかの度合いです。

老視のメカニズム

調節力は常に一定であるわけではありません。生まれたばかりの頃は低く、10歳頃にピークを迎え、それ以降は加齢と共に低下していくと言われています。

老視の原因  すなわち調節力の低下の原因は、水晶体の弾力性がなくなることにあると言われています。人の身体が加齢と共に柔軟性を失っていくのと同じで、ピント合わせに重大な役割を担っている水晶体も、加齢と共に弾力性を失い、ピントを合わせられる範囲が徐々に狭くなっていってしまいます。

ここで少し話が変わりますが、メガネやコンタクトレンズなどの視力矯正機器は「遠くのものにピントを合いやすくするもの」です。かけているメガネやコンタクトレンズの度が強いほど、遠くの方にピントが合いやすい状態になっています。

その状態で近くのものを見るためには、調節力を働かせなければいけません。調節力がまだ充分にある10代〜20代のうちは、どれだけ度の強いメガネをかけても近くのものが見えますが、歳をとって調節力がなくなってくると、それがだんだんできなくなってしまいます。

よく、「メガネ(コンタクトレンズ)をはずせば近くが見えるから老眼じゃない」と言う人がいますが、残念ながらそれは間違いです。老視が始まっていない人は、どれだけ度の強いメガネやコンタクトレンズをつけていても近くのものにピントを合わせることができます。

メガネやコンタクトレンズをつけると手元が見づらいのは、遠くのものに合いやすくなっているピントを近くに持ってこられるだけの調節力が目に残っていないからです。

人が本や携帯電話を見る時の距離は、目からだいたい30センチ前後だと言われています。老視とは、目から30センチ前後のところにあるものにピントを合わせらるだけの調節力がなくなってしまった状態のことを指します。

老視の自覚

冒頭にも書きましたが、人が老視を自覚するのは45歳前後と言われています。人によって個人差はありますが、基本的には、遠視の人や、正視の人(目がいい人)の方が老視を自覚するのが早く、近視の人の方が自覚が遅いと言われています。

ちなみに、「目がいい人ほど老視になりやすく、目が悪い人ほど老視になりにくい」というのは間違いです。老視の始まる時期は目の善し悪しに関係なくだいたい45歳前後です。老視の始まる時期には個人差がありますが、それは目の善し悪しには関係がありません。

老視の矯正法

老視の矯正法には、いくつか種類があります。
このサイトは遠近両用の「コンタクトレンズ」に関する情報をまとめたサイトなので、老視の矯正法についても、コンタクトレンズを用いた状態での方法に限り説明していこうと思います。

コンタクトレンズを用いた場合の老視の矯正法については、こちらのページをご覧ください。