「中間距離補正」について

このページでは、コンタクトレンズを用いた老眼矯正法「中間距離補正」についての説明や、メリットやデメリット、どういった人にオススメかなどをまとめています。

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中間距離補正とは?

遠方の視力をやや弱めに設定し、コンタクトレンズをつけた状態でも近くが見えるようにする矯正法です。

老眼が始まると、遠くと近くの見え方は相反するようになります(遠くを見やすくすれば近くが見づらくなり、近くを見やすくすれば遠くが見づらくなる)。老眼が始まっても、眼鏡をはずすと近くが見えるようになるのはこのためです。

中間距離補正は、「遠用コンタクトレンズ+老眼鏡」のようにしっかりとした視力が得られる矯正法ではありません。「遠くと近くの見え方の妥協点を探す矯正法」です。遠くも近くもほどよく見えますが、悪く言えばどちらも中途半端な見え方になります。

老眼の程度が弱いうちは遠くも近くもそれなりに満足のいく視力を得られると思いますが、老眼が進むとそれが難しくなってきます。いずれは遠近両用コンタクトレンズを使用するなど、他の矯正法に移行することになると思います。

この矯正法のメリット

「中間距離補正」のメリットは以下の通りです。

  • コンタクトレンズだけで生活できる
  • 乱視の矯正も可能
  • コストを抑えられる

コンタクトレンズだけで生活できる

この矯正法の最大のメリットです。上から老眼鏡をかけることもできますが、老眼鏡を使わなければコンタクトレンズだけで生活できるので、かけはずしが面倒だという方にはいいかもしれません。

コストを抑えられる

コスト的に遠近両用コンタクトレンズが難しく、老眼鏡もかけたくない、という方は必然的にこの矯正法になります。「中間距離補正」なんて言葉を知らなくても、この記事を呼んでいて「あ、私これだ」と思った人は多いのではないでしょうか。

遠近両用コンタクトレンズは、単焦点のコンタクトレンズの約1.5倍〜2倍の値段になるので、老視が軽いうちは、中間距離補正でなるべくコストを抑えようとする方が多いですね。

この矯正法のデメリット

この矯正法のデメリットは以下の通りです。

  • 遠くも近くも見え方が中途半端になる
  • 年齢によってはほとんど矯正できない場合もある
  • 目が疲れる可能性が高い

遠くも近くも見え方が中途半端になる/年齢によってはほとんど矯正できない場合もある

この対策法の最大のデメリットです。老視が始まったばかりのうちは少し遠くの度数を下げてあげるだけで近くがある程度見えるようになりますが、加齢と共に近くの見えづらさが増してくると、相当遠くの見え方を犠牲にしなければ近くを見ることができなくなります。

コンタクトレンズをつけて遠くがまったく見えなければ、つける意味がありません。つまり、中間距離補正には限界があるということです。そしてその限界値は他の矯正法よりも低くなります。

たまに、「これは明らかに無理しているだろうな」という度数で中間距離補正をしたレンズを使っている方がいらっしゃいますが、そういった状態での使用は、目の疲れのことを考えるとあまりおすすめできません。早いうちに他の矯正法に移行した方がいいでしょう。

目が疲れる可能性が高い

中間距離補正を選択される方の場合、大抵の方が「ある程度遠くも見えるようにしたい」という主訴を持っています。そのため、ある程度遠くの視力を残した値で矯正するのですが、それだと、近くの見え方は弱めになります。

近くがしっかりと見えていない状態で読書やPC機器での作業をすると、「頑張って近くを見ている状態」がずっと続くことになるので、目が疲れやすくなります。そのせいで老視や近視の進行が早まるということはありませんが、やはり、あまりおすすめはできませんね。

向いている人・向いていない人

「遠用コンタクトレンズ+老眼鏡」が向いている人は以下の通りです。

  • コンタクトレンズだけで過ごしたいという強い希望がある人
  • 見え方の妥協ができる人
  • 軽度の老視の人
  • コンタクトレンズを使いつつ、なるべくコストを抑えたい人

向いていない人は以下の通りです。

  • 遠くも近くもはっきりと見たい人
  • 老眼がある程度以上進んだ人(50歳以上になると矯正が難しくなってきます)

まとめとして

老眼が弱いうちは大丈夫ですが、強くなってくると、中間距離補正では矯正が効かなくなってきます。そのような状態になってしまうと、上にも書いた通り疲れの原因にもなりますので、あまりおすすめできません。

個人的には、中間距離補正はあまりおすすめできない矯正法です。
無理をしているようならやめて、素直に他の矯正法に移行した方がいいかと思われます。

中間距離補正で補いきれなくなった場合は、以下の矯正法のどれかに移行するのが一般的です。


よくある質問


Q どれくらいの度数に合わせるといいですか?
(遠くと近くのバランスはどの程度がいいですか?)
A 個人差が大きいです。その人の生活スタイルや、近くと遠くのどちらを重視するかによっても変わってきます。中間距離補正を自分で行なうのは難しいので、ネット通販を利用している方の場合は、必ず眼科で検査員に最適な度数を見つけてもらいましょう。
Q 何歳まで中間距離補正が可能ですか?
A これも個人差が大きいので一概には言えませんが、50代に入った方が、中間距離補正で遠くも近くも満足のいく視力を得るのは難しいでしょう。必ず、遠くと近くのどちらかの見え方が犠牲になってしまうと思います。
Q中間距離補正では補いきれなくなりました……
A 中間距離補正を諦め、遠近両用コンタクトレンズや、遠用コンタクトレンズの上に近くを見る時だけ老眼鏡をかけて対処していくのがいいでしょう。どうしても遠近両用コンタクトレンズや老眼鏡を使いたくないという方は、モノビジョンという選択肢もあります。